M・P&Dの第4作目は和服のリフォームです。
おばあ様譲りの良い物らしく、箪笥に長く眠っていたのですが、解いてクリーニングをしたら、
見事に光沢が蘇りました。
背の高いお客様で、出来るだけ無駄がないようにと、ロングのワンピースを作る事になりました。
和服の場合、生地の長さは十分にあるのですが、巾が狭く、その上、衿の部分で大きく切り込みが入っている為、型入れに十分な考慮が必要となります。
結局11枚接ぎのロングのワンピースになりました。袖は、肘線で接いで、袖口にスリットがある、ごくシンプルなデザインです。後ファスナー明きで、衿ぐりは横広がりにして、アクセサリーやストールなどの組み合わせで、着こなしが楽しめる様にしました。
紬は接ぎ線の縫い代をプレスしても、すぐに戻ろうとします。きつくプレスすると当たりがでるようで、そこだけが問題になりました。
ところが出来上がってハンガーに吊るして置くと少し落ち着いて、接ぎの多い裾線がカマボコのように丸くなり、それなりの面白みが出ました。
今後、おばあ様の法事に、このワンピースを着て行かれるそうです。
価値観は個々それぞれによって、またその時代によって少しずつ異なる物かも知れませんが、先人達が大切に伝えてきた価値あるものを認め、日々の中でそれらを活用できることはすばらしい事ではないでしょうか。