7月24日から26日の3日間大野先生の夏季講習会に行って来ました。
テーマは昨年に引き続き“カットソーだからこそ…!”で、今回は厚地の素材で、芯やテープなどを使わないジャケット作りです。
カットソーの需要は年々増えているのですが、その扱いは案外ぞんざいにされていて、素材の特性が活かしきれていないように常々感じていました。また、伸び止めテープで固定しなければ、袖繰りが伸びて袖が落ち着かないなどと、仕上がりがよくない場合、最もな理屈をつけていたようにも思います。
今回の手法は、ボディに天竺で作った土台を着せ、カットソーの特性を考慮し、素材をなじませながらシルェットを作っていくという方法です。難しかったのは袖繰りでした。形を保っていても、袖繰りの縫い代を切り落としたとたんに緩くなって、バランスを崩してしまいました。前肩の引き上げがうまく出来ていないと崩れて袖繰りが緩んでしまいます。
素材が縦伸びすると横に痩せます。伸び分をカットして痩せ分をプラスして作った袖を付けて一晩放置して、どのように変化したかを観察しました。その結果、丈は問題なかったのですが、巾が痩せていました。
布帛も物によっては変化を起こしますが、これほど顕著に変化が起きるのは1本の糸で編まれた素材ゆえの特性で、これらを活かすためには、観察をして、一手間をかける事が商品のできばえを左右するのではないでしょうか。